暮れに大きな夢を見るということ


「中山の直線を流れ星が走りました」と実況したのは杉本清アナウンサーだった。関西のテレビ局所属ながら、関東の中山競馬場で行なわれる暮れの総決算、グランプリ有馬記念の実況を担当し、中央競馬史上に残る名勝負を全国に伝えた。自分が生まれる10年以上も前の出来事だった。

2004年の宝塚記念を最後に競馬実況の担当にピリオドを打ち、以降はフリーとして、JRAのイベントの司会をメインに活動。今も競馬と深く関わっている。競馬にのめり込んだ人間が最後に見る夢は何なのだろうと思う時がたまにある。今年も競馬ファンが夢を見るこの季節がやってきた。

先日、雑誌Numberを購入した。その号は自分が読み始めてからたぶん初めての有馬記念特集である。そこには同レースの過去の名勝負をプレイバックする記事で溢れていた。そこにはオグリキャップにナリタブライアン、ディープインパクトにオルフェーヴルのそれが誌面に掲載されていた。

どれも素晴らしいレースだったに違いないが、雑誌を読みながら何か足りないという思いの方が勝っていた。頭の引き出しをひたすら開け続け、ようやく思い出したのが冒頭のテンポイントだった。スタートからトウショウボーイとマッチレースを繰り広げ、直線の壮絶な叩き合いに勝利した1977年のレース。あれ以上の名勝負は他にないんじゃないかと思っている。かろうじてトウカイテイオーの復活がそれに並ぶかもしれないが。

香港国際競走の兼ね合いや中山コースの嫌われっぷりから、近年は有力馬の回避が目につくようになり、かつてほどの格が保てていない有馬記念であるが、その年の最後をわくわくした気持ちで迎えるファンの心境はそんなに変わっていない。今年も名勝負に期待。個人的にシュヴァルグランを本命に推したい。

#競馬

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